Tickと病気

tick(マダニ) Tick(ティックと読みます)とはマダニ(ダニ)の一種で、蜘蛛に関連する吸血性生物です。
(足が8本ある)
大体春から秋にかけて活動が活発になりますが、種類によっては冬でも生息するものがあるそうです。
藪などの屋外に生息していますが、怖いのはTickに噛まれるとロッキー山紅斑病(Rocky Moutain Spotted fever)やライム病(Lyme Disease)を引き起こす可能性があること。
Tickにかまれたからといってすぐにこれらの病気になるというわけではありませんし、いたずらにパニックになることはありませんが、注意しておくことに越したことはありません。
日本では聞きなれない病気ですが、予防策もあわせて今回はTickについて書いてみたいと思います。

ノースカロライナのtick
写真があります。あまり気持ちのいいものじゃないです(^_^;)


Tickの生態
Tickは卵から幼虫(larval)、若虫(nymph)の段階を経て成虫になりますが、成長するにはそれぞれの段階で宿主の血が必要です。

一度宿主に取り付くと、Tickは血液を吸える場所を探して噛み付きます。口が鉤型なので一度噛み付くと抜けにくくなっています。
メスの場合、宿主に取り付いていっぱいに血液を吸うまで(大体8日から12日くらい)食いつき、自分の体重の約100倍にまで膨れ上がります。
オスは死ぬまでに何度か交尾し、メスは交尾のあとにコンクリートの割れ目のように隠れた場所や落ち葉の積み重なったところなどに沢山の卵をうみつけます。
卵は約2週間でかえり、種類にも寄りますが寿命は2ヶ月から2年だそうです。

ロッキー山紅斑病
症状は発熱、頭痛、寒気、各部の痛み、また時には吐き気といったもので、特徴として手首や足首に発疹が現れます。
放っておくと死に至ることもあるそうですが、抗生物質の投与で治療できます。

ライム病
毎年全米で12500例が報告されるというライム病は1976年、コネチカット州ライム郡で発見された流行性関節炎からこの名がつきました。
患者の何割かがマダニに噛まれていたことや、患者の多い地域ではマダニが多く、1982年に北米産マダニから病気の原因となるスピロヘータが分離され病原体が確定しました。

ライム病は早い段階に適切な抗生物質を投与すれば治療できます。
そのため早い段階での診断が大変重要です。

ライム病の症状

第一段階
数日から数週間くらいで発疹や風邪のような症状(発熱、咳、筋肉痛、だるさなど)がでます。
感染から30日以内に特徴的な発疹(噛まれたところから広範囲に赤くなったり、噛まれたところの周辺にドーナッツ型に赤くなる)が現れますがこの発疹は全てライム病患者に現れるわけではないようです。

第二段階
第一段階から数週間から数ヵ月後に神経や心臓系の病気になります。
神経系の症状はライム病患者の約15%で脳炎、神経根炎、ベル型麻痺(一時的顔面神経麻痺)などで、一般にこの症状は数ヶ月続きその後消失するそうです。

心臓系の病気は患者の約8%に現れ、症状はめまい、呼吸が短くなったり、ペースメーカーを必要とするほど心拍数が不規則になったりします。
普通、数週間でこれらの症状は消失するそうです。

第三段階
数ヵ月後から数年後に慢性関節炎や、慢性脳脊髄膜炎を起します。
関節の痛みや腫れ、発熱などの症状があらわれ、患者によっては夢遊病や記憶障害が起きたり、気分が変わりやすくなったり集中力がなくなったりするようです。

予防策について

  • Tickは草の中や藪の中に生息します。そう言った場所を通る時はなるべく広い道をつかいましょう。
  • 明るい色の衣服はTickの発見を容易にします。(Tickは大体黒や茶色)キャンプなどでの敷物も発見を容易にする白っぽい色の方が良いようです。
  • 市販の虫避けスプレーが効果的です。戸外での活動(キャンプ、ゴルフなど)の時には使った方が良いでしょう。
  • 庭などがある場合には雑草の除去など手入れが必要です。芝がある場合はまめに芝刈りをします。芝刈りをする時にはできれば長袖長ズボンが良いでしょう。
    暑いとなかなか出来ないけどね(^_^;)
  • tickのいそうな場所に行った後は、噛まれていないか良く確かめましょう。

Tickに噛まれた場合には

注意していてもTickに噛まれることがあります。噛まれたからといってすぐにライム病になるわけではありません。ライム病は抗生物質の投与で治療できます。

Tickの取り除き方について
Tickに噛まれたらすぐにTickを取り除く。
Tickがロッキー山紅斑病を移すには最低6時間以上必要だそうです。
(ライム病については最低感染時間はまだ分かっていないそうです)
そのため噛まれたらすぐにTickを取り除きましょう。
ティッシュペーパーなどで指やピンセットを包んでTickを取り除く。
Tickのからだを掴んでまっすぐに引き抜くと良いようです。患部やtickに触れた指先などは石鹸などを使ってよく洗います。

Tickの取り除き方について、はるさんからメールを頂きました。
大変参考になりますので是非、ご一読下さい。
はるさん、どうもありがとうございました。 06/16/’03
こんにちは。

今ライム病についての記述を読ませていただきました。とてもよくかかれていて参考になります。自分が感染しているかもしれないと思い、いろいろ検索していたところこちらにたどりつきました。

わたしのtickを取り除くときの経験を書きたいと思います。わたしは最初ヨーロッパの友人に間違った取り除き方を習い、あとから医師にそれはやめるように言われたので、そのことは多くの人に伝えて置いたほうがいいかなと思いました。読ませていただいた記載のなかにあった指で取り除くあたりがもうすこし詳しいといいのではないかと思いましたので、参考までに。

tickを取り除くとき、”からだ”を指やピンセットでつかんではいけないそうです。うっかり強く押してしまうと、中身を逆量させてしまうため、感染率が高くなるからなのだそうです。一番いいのは、ピンセットをつかい、あたまの部分をつかんでゆっくりゆっくり(ゆっくりが肝心。うっかりおなかだけちぎらないようにということだそうです。)引き抜くのだそうです。

すっかりはまっている場合は一分以上かかることもしばしばだそうです。 ただtickの頭とおなかの区別はむつかしいので、あたまというより口のあたりを掴んだほうがいいと思います。また、細いピンセットは普通の家庭にはない場合がおおいので、日本ではよく見かける刺抜きを使うといいと思います。”刺”の代りにダニの口(くちばし)を抜くのですが、その時、頭とおなかは刺抜きの内側にはまるようにして決して潰さずにダニの口(くちばし)をつまみます。

わたしは指でおなかをつまんで時計と逆の方向にねじるという間違った方法を教えられていたので、おなかを強くもってしまったうえ、ねじり切りかけていたのか、その後ピンセットに切り替えたときおなかがちぎれてしまいました。とてもなさけなーい気持ちでした。

他に新しい商品でtick spoonというものがアウトドアショップやハードウエアやさんの一部で売られ始めているそうです。これは、溝のはいったちいさなスプーンで、その溝をダニのくちばしのところにはめて、そのままゆっくり引き剥がす、というものだそうです。つまり皮膚と頭の間にいれるわけです。以上、もし参考にしていただけたらと思います。

処置について
医者に行く。
Tickは潰さずに紙などにくるんで持って行き、医者に見せると良い。
血液検査などをしてもらい、薬(抗生物質)を処方してもらいます。

ペットについて
ペットがtickの媒介をすることもあります。そのためtickに噛まれていないか良く確かめるようにします。
もしペットがtickに噛まれていたらtickを取り除き、人間と同じように対処します。
対策としてはダニ避けの首輪をつけて、パウダーや液体の殺虫剤を使うようにします。
ペットを飼う時は獣医ともよく相談しましょう。

今回はじめてネガティブな情報を掲載しました。
神経質になりすぎる必要はないと思いますが、こういう病気がアメリカには存在するということを知っておいて頂きたいと思います。

参考文献:Tick and Tick-Borne Disease in North Carolina

関連リンク

蚕糸・昆虫農業技術研究所 ホームページ
記者発表(プレスリリース)の中にマダニに共生する微生物相の解明という文章があります。

アジア医師連絡協議会(ADMA)
熱帯医学データ-ベースの中にあるボレリア症・レプトスピラ症のところにライム病の記述があります。

American Lyme Disease Foundation, Inc (英文)

CDC Lyme Disease Home Page(英文)
英文ですがtickの写真が載っているので確認しておくといいと思います。
special Thanks: CIさん

05/20/'01作成、06/15’03更新

FAQに戻る

HOME

このHPからの画像、文章等の無断コピー、無断転載、二次配布を禁じます。
Copyright (c)1999-2003 Mizuki All right reserved